坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

アートの力

La Force de l'Art (アートの力)とい名の展覧会がグラン・パレで開かれている。フランスのアートの現状を発信するトリエンナーレの2回目。友達のJ君のビデオがdairy motionのコンクールで選ばれて本人が行くと言うので行ったのだが、一回りしてのJ君の友達に「何がよかった?」ときかれて答えに窮した。仕方がないから正直に「Rien(nothing)」と答えたら、「Rien とはどう言う意味だ!」と、それでもあんたはアーティストかというような目で見られてしまった。確かに見た時は目を引く物もある。でもちょっとするとすぐ忘れる程度のもの。話されると見たなと思うけれど、今さっき見たのか、先週末郊外の新しい現代美術館で見たのかもはっきりしない。まだJ君のビデオの方がただの音楽クリップでまだ頭に残った(本人は一番芸術的でないのが選ばれたと不満だが、それが幸い?)

昨日はパリで30度の真夏の天気、御存知のようにグラン・パレの天井は鉄枠にガラスだから中は完璧に温室と化して頭ふらふらしたが、多分私のあのアルツハイマー状態は「ただごとでなくつまらない現代アートの力」の仕業だと思う。

同じくアンディ・ウォーホール展もグラン・パレで行われていて、かつてのアイドルだから別に今さら見なくてもと思っていたが、列もなかったし、こちらは冷房が入っているはずなので涼みがてらに入ったのだが、、、これも極度につまらなかった。原因はシルクスクリーンを使いだしてからの作品しかなく(つまりその前のマンガや宣伝を筆で書いた作品とかはない)、かつその一部のシリーズ作品が大量に続く。彼のデザイン感覚は好きだが何百点(?)の一つ一つを丹念に見ても仕方がなく、ただの壁紙感覚でその前をただ通過する以外なくなる。これが主旨なら(ウォーホール的だし)言うことはないが、お金を払って見るほどのこともない。私はアーティストカードで無料ですが、ウォーホール展もアートの力も絶対に見に行かない方がいいですよ。