坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

カランク

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マルセーユの東海岸からカシス、シオタにかけてカランク(calanques)と呼ばれる、幾つもの深く刻み込まれたような入り江の海岸が続く。マルセーユもシオタも産業港だから、その間にこんな秘境ともいえる地帯があるのは不思議。雑誌やテレビで紹介されるたびに「いつか行きたいな」と思っていたのだが、渡仏四半世紀にしてやっと願いが叶った。といってもマルセーユのすぐ近くで行くのは難しくない。「バスで郊外の学園都市まで行き、そこから2時間半歩くとほんとに静かな素晴らしいカランクがある」というのが観光案内所のお兄さんの推薦であったが、泊まるところはないし猛暑の中リュックを背負って歩くのは、、、折角の仕事後のバカンスだしという訳でひよって「人が多いから行くな」といわれたバスで30分で行けるカシス(Cassis、地元の人はカシと発音)へ。ここは昔からの別荘地でもあり観光地で、広い浜辺もあり、ホテルも何件もある。レストランでは独り客は大抵隅っこに追いやられるのが常なのだが海岸が見える良い席に座らせてくれた親切なお姉さんの話だと週末はイモを洗うようだったとか。まだ完全な夏休みではないし、幸い月曜の夕方に着いたのでそれほどの人出でもなく、浜辺からの景色も美しく(写真)、暖かくて夜でも泳げた。山に囲まれたかつての漁港+別荘地なので雰囲気は昨年行ったスペインのダリの故郷カダケスと似ているが、カダケスはダリの絵の看板とか新しい建物とか景観を無視した面が多くて期待していたほどではなかったが、フランス人のほうがそういう点では意識が高いのかなー、大いに満足した。
でもここはカランクではない。昨日の写真のアンヴォーというカランクへはここから徒歩で山越え谷越え1時間半。暑さをさけるため火曜の早朝ホテルを発ったのは大正解。ほとんどプライベートな浜辺で、ヨットで来るお金持ちを除いて「ここまで歩く人はいないからなー」と思っていたら10時をすぎるとカヌーでの観光客が上陸、陸路からも少しづつグループが。かつ観光船も近くまで来るに至って秘境の静けさは全くなくなった。
カランクの写真は次ページをご参考に。http://fr.wikipedia.org/wiki/Calanque
でもこんなに良いところが近くにあるのに仏人はベトナムとか日本とか遠くに出かけたがるのかなー。