坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

行き場を失ったカタツムリ

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あれれ、私のアトリエの窓の上の方に南仏特有の白い小さなカタツムリが。
殻を拾い集めてグレウーで作品を作ったあと、残りをもってきたのだが、空の殻ではなく生きたカタツムリも数匹混ざっていたので中庭に放り投げたのだが、これはその一匹に違いない。本によるとこの種のカタツムリは砂地に住み、夜は徘徊、昼は灼熱地獄となる地面から少しでも離れようと草の幹の上に登るということだが、天気の悪いパリのアパートの中庭がそれほど乾燥しているとは思えないから余程住み心地が悪く窓に登り世間との扉を硬く閉めて世捨てをしてしまったようだ。
異邦人として他人事とは思えないし、不幸をもたらした原因はおそらく私のようだ。結局今週南仏に戻って作品の修理をすることになったから故郷に戻してやるのがいいのだろうか? 人生長生きするものだ。カタツムリを伴に旅行する日が来ようとは思わなかった。