坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

サーカスを越えるサーカス

もう10年ほどにもなるだろうか、サーカスが子供用の興行という枠を越えて、照明、振付けに工夫を凝らし、テーマもストーリー性や詩情のあるものした新しいサーカスが生まれてきた。

昨晩知合いのクリエートしたサーカスを郊外へ見に行ったのだが、あまりにシビアーな内容でびっくりした。おもしろい=楽しめる という意味では全く楽しめない異色のサーカス。作った女性のお兄さんは分裂症、お父さんも昔鬱病、そしてその二人と一緒に旅行をしたロードムービーがほぼいつもバックに流れていて、その家族のことを当の曲芸師が股から顔を出して話すから心と肉体のフリークな世界になってくる。サーカス(スペクタクル)というには苦しすぎるような気がするが、最後にお兄さんが舞台にも登場するのが希望なのか?(よくそこまでできたものだと思う) 文字どおりドラマ、普通見たくないものを見せられる現代アートに近い世界だった。家族連れの人たちはいなかったが、サーカスの名に釣られて子供をつれて行っていたら親は困ったと思うよ。