坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

クールベ展

アトリエ開放ぼ最後にやってきたLさんの近所のアーティストに私の本は高いと言われた。その比較になったのがグランパレで開催されているクールベ(Courbet)展のカタログ。分厚くて大きくて一杯図録が入って49ユーロ。私は「内容が違います」と答えたのだが、何を良いとするかは人による。
そんなことがあったのでクールベ展を見てきたのだが、全然感心しなかった。先ず絵が下手だ。私はクールベは写真以前だと思い込んでいたのだが、すでに普及しつつあり、まさに下手な写真のような構図も多い(手前にアップで果物があって背景に風景とか。有名な女性のセックスをアップした「世界の起源」もその時代の好きものようの写真が絵になったに過ぎない)。今大回顧展がされる現代性があるとしたら、嫌な自己主張が鼻につくことだろう。レマン湖畔のシノン城の絵だけはそれがなくて清々しかったが、あとで生涯を見てみるとパリコミューンに参加して追放されスイスに逃げた時の作品だった。
写実主義の巨匠も私のブログではぼろぼろですなあ。