坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

国の顔

フランスとスペインの地中海岸の国境は山が海に迫る険しい土地。両国で線路の幅が違うので特急のタルゴは車輪を調節する?のだと思うのだが、普通の国内線は国境の町が終点。ここで不思議なのは例えばパリからの夜行がスペイン国境ポル・ブに着くと、同時あるいは寸前にスペインの地方列車が出発、次の列車まで1時間45分待たされる。大昔に初めて来た時は列車が遅れて乗り遅れたのかと思ったが、両国国鉄のお互いの嫌がらせ?あるいはタルゴ(高い!)に乗らせようという陰謀としか思えない。私は何度乗ったか数え知れないからさっさと駅を去ってパン屋でカタロニア名物の巻きパンを買い海岸のカフェで朝御飯を食べる。多分国境で降りた乗客は100人以上はいたと思うが大半は海外からの若い旅行客、私と同じ行動をしたのはたった3人でした。

帰りはフランス側のセルヴェルから夜行が出発するが、スペイン側の駅が近代化されているのに比べ、仏側はそのうちTGVでも走らせて廃駅にしようという了見か何十年間ひとつも手が加えられていない。トイレも凄まじく汚いらしく、スペインのおじさんが「国の玄関、国の顔として恥ずかしくないのか」と国鉄職員に訴えていた。返答は「私もそう思うし、みんな言っているのですけどね、、、」 列車も1時間弱出発が遅れたがホームにいる職員は状況をまったく理解していなくて「私もわからないんです。私も早く出てほしい。だってこれで仕事が終わりだから。残業手当もつかないし、、、」と冗談にするばかり。トイレといい、職員といい、しっかりフランスを代表しているわ。