坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

ポンピドーセンター30周年

石油コンビナートのような外観と内装で、オープニングに招かれたお偉様たちの多くがまだ完成していないのだと思ったという曰く付きのデビューをしたポンピドーセンターだが、今やエッフェル塔ルーブル美術館に次ぐ観光地。30周年ということは大昔初めてパリに旅行した時はできて間もなかったと言うことになる。そういえばピカピカしていて透明のチューブの中を上って行くエスカレーターも美しく惚れ込んだ覚えがある。
それもあってかパリに住みだした当時は年間会員になってしょっちゅう通っていた。コレクションが多いから常設展の展示も入れ代わるのだが、大好きだったマックス・エルンストの傑作(鳥と貝殻みたいなの)が何故か壁から消え、観光客が多くなって昔は自由に歩き回り触れたりできたインスタレーションにも柵がされ、見きれない量の資料に溢れる非人間的規模の企画展に辟易し、だんだんと足が遠ざかってしまった。実は昨年末イヴ・クラインとラウシェンベルグを見に行ったのは結構久しぶりだった。