坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

「朱霊たち」

長篇映画を作るのは安くても2千万円はかかる。いくら昔からの夢でも現実問題となったら「そのお金でアパートでも買った方が、、、」と思ってしまうは私のような凡人。だからそれだけで私は岩名さんを尊敬、それで手伝いをはじめたのだが、昔からの映画ファンだけあって映像が繊細で美しい。最近こんな映画はめったにありません。
話は作者の妄想か荒唐無稽、または紋切り型で陳腐という面もあるかと思うと、シュールでかつ真に迫り不思議な感銘を受ける。だから「変な映画」。
一昨年の夏、彼の住むノルマンディーの旧農家は戦後の日本の町並みに変身、撮影スタッフには薄給で朝から晩までよく働く、とうていフランス人とは思えないような若者たちが集まった。そして俗に言うポルノシーンがあるにも関わらず春には文化庁からの助成金がおりた。撮影中には主演俳優が大怪我をし、その後プロデューサーがとんずらしたりという大ピンチを乗り越えた。試写を見ながらあらためてよく岩名さんはここまでに至らせたものと感慨の思いにひたった。新春には東京、ポレポレ東中野で一般公開されます。