坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

サルコジ最後の100日

フランス情報薄の日本人の方に念をおしておくが、サルコジはまだ来る大統領選に立候補していない。彼によれば一刻の猶予もない経済危機にあり、国のため大統領としての職務を最後まで優先。そしてかかげる政策は付加価値税増税とか明らかに人気のない政策。彼自身少し前までは消費を抑制するとして否定的だったのに今になってどうして? 加えて議会を通して実施するとしても大統領選挙後のことになる。国のための真摯な覚悟が最後に国民の心に訴えるという作戦なら私の想像範囲だが、、、(国を間違えたのか?フランスでアピールするとは思えない)

私にとってサルコジほど読めない政治家はいない。5年前は「こんな暴言はいて失速間違いなし」と私が思うことを彼はすべてプラスにした。今回は逆に、マイナスにしかならないと思われる事をして、今のところ世論では(それどころか与党議員の間でも)ちゃんとマイナスになっている。5年前の追い風が向かい風になったというだけのことなのだろうか? 彼自身がオフレコ(のつもり?)で「選挙に負けたら二度と私の名を聞くことはないだろう」と漏らし、外務大臣のジュペは口が滑ったのか、オランド候補とのTV討論会で「貴男がどこまでできるか見ましょう」と条件法ではなく未来法で言ってしまったほど、サルコジ敗戦ムードは色濃くなるばかり。任期最後に不人気の経済の構造改革をしてメルケルに負けたシュナイダーを讃え、サッチャーの映画に感動し、崇拝するナポレオンならぬ去り行く英雄を演じてウォータールーに向かっているとしか思えない。その悲壮さは「サルコジ嫌いの私」をして批判する気を起こさなくするほどだが、政治の世界でそんな人情は通用しませんからね。いったいどうするつもりなのだろう? 私をまたまた絶句させるような企みがあるのか、期待しないでもない。(まさか再選されては困るが)