坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

同じ住宅公団だが

私のアトリエもパリ市の公団住宅だが、住宅省官房長のボリュフェル氏も1981年以来ずっと公団住宅住まい。私の家は政府が定める年間家賃値上げ許容最高レートを再三適用されて5年間で15%上がったが、官房長官さんのパリの中心ルクサンブルグ宮殿からほぼ遠くない190平米の豪華アパートは一度も上がっていない! 現在の家賃は市場評価の4分の1位らしい。かつ何と17年間、できないはずの又貸ししていた(彼には官舎がある)。
すでに一度ならず書いた「架空のポスト」(仕事をしなくても役職だけあって給料がもらえるうらやましい制度)と同様この優遇はシラク市政の落し子。市政が変わったから目をつけられたと言えば言える(ラジオでは公団にペンキ塗り替えを要求したのがきっかけと言っていたが?)。目をつけられない特別処置はしょっちゅうだから驚きもしないが、お話にならないのはこの官房長官さんが1ヵ月前に住宅難問題に関したインタヴューで「公団住宅の住民の入れ代わりがなさすぎる。権利もない人が住んでいて、権利のある人が路上生活をしているのはスキャンダルだ」と言ったこと。
家賃に関しては「値上げを要求しなかった大家が悪い」とおっしゃっているそうです。私、同じく小人として良くわかりますよ、そのお気持ち。(実は昔のアパートで年配の大家さんがのんびりしているのにあぐらをかいていたら、法的には大家さんにはたしか6年まで遡って値上げをする権利があって、ごっぽり取られましたからね)