坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

茶番劇か「深刻劇」か

先ほど(金曜8時)にシラク大統領の国民への特別演説がありました。何の為かと言うと例のCPE(初採用契約:内閣によると以前述べたように解雇条件を楽にして雇用を増やす)。国会通過後、反対の社会党憲法審議会に訴えたが、昨日憲法上は問題ないと結論された(その前日国会答弁で首相がその「決定=デシジョン」を待つと言うのを「辞任=デミッション」を待つと言い間違えると言うお笑いがあった)。しかし反対派は僕がボナールを見ている間に2~300万人が街頭デモ、勢いづいて交渉条件としてのCPEの取下げを要求している。大統領が署名しないと法律は発布しないから、シラクがデモ学生の意見を聴いてノンということは、、、それは絶対にないことは誰もが分かっている。だってそうすると首相は「言い間違い」通り辞任するしかない。では誰が後任に??? 来年の大統領選を前に誰もやりたくない首相をヴィルパンは引き受けたのだから、彼も大統領に対して結構強いのだ。
で、大統領はどうしたかというと法律発布にはサインするが、問題になっている「2年間理由なしに解雇できる」という「2年を1年に」、かつ「理由がいる」ようにした新たな法律を国会で審議しなさいとの御神託でありました。
反対派は「理解できない演説」と評し(こうなることは昨日からニュース解説の一致した意見、だからだれもが分かっていたことだが)、来週の火曜にまた統一デモをする。施行もしない法律を発布することが茶番なら、実質的な再審議を獲得したという利に目を向けない反対派も政権と同じく面子だけで茶番を演じているように思える。しかしこの茶番の奥には「深刻劇」が隠されている。国会で通った法律を却下することは当然議会主義を侮るものだ、しかし大衆の意見に耳を傾けず議会は任期中は強行採決の連続で立法をすること許されるであろうか?国民は選挙で発言はできるがそれ以外は発言する権利はないのか?一体選挙とは何であろうか?「民主主義の本質を問う!」です。多分「普通の国」の民は自業自得と諦めるが、(深い意義を意識しているかどうかしれないが)不満なら街に人が繰出すのが革命の国フランスならでは。
ところで元のCPEに戻ると、初めからこの法律が若手失業者の減少に効果があるか疑問が多いのに、大統領の勧告を入れたら一層効果はなくなる。もっと違うことにエネルギー注いだ方がいいんじゃないの?