坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

さらば 地中海

イメージ 1今ニースからパリに戻るTGVの中、いつもならマルセーユ近くのシオタの奇岩の見えるあたりまでのんびり景色を眺めているところだが、朝泳いだ所為か、あるいは昼食の「モレスク(ムーア人)」と呼ばれる、アニス(ウイキョウ)酒とアーモンドシロップを水で割った南仏特有のアペリティフ(アニス酒の水割りのパスティスに比べてマイルドで飲みやすいが、やっぱり強い)が効いたのか、ウトウトしている間に地中海とおさらばしてしまった。

今回の旅は先ずは牛と岩しかない荒涼とした高原が広がるオブラック(Aubrac)。3年前にも行って写真入りで紹介したので昔(2009年7月)の記事を御参考ください。

実は今年は仏国鉄は何十年以来の線路網の大工事をしていて、すでにトゥールーズ行きの夜行が1時間半遅れて迷惑を被ったが(6/22記)、普通なら直行のあるはずのAumont Aubrac行も分断され、パリから列車そして2台の特別運行バスを乗り継いで6時間以上の長旅となってしまった。帰りもこれではうんざりなのと、誘ってくれたMさんがカルカソンヌに行く予定だったので、地中海岸のベジエ Beziersまで日曜日に車で南下、種々の都合で1日モンペリエで過ごし、そこからボンソンの作品回収(展示会のことは7月に記載)を目的に急行列車でニースへ。ニースの旧友Cさん宅にベースを置いてカップ・ダーユ Cap D'Ailのヴィラの庭を使ったグループ no-madeの展覧会に顔を出し、企画のD氏やガーナに一緒に行ったイギリス人彫刻家もP君夫婦に会い、ボンソンにも行って目的も果たした。幸いにしてボンソンのP&M夫婦の友人、加えて前述D氏が「雨の絵」買ってくれたので、漫遊旅行の旅費がカバーされ、かつ荷物は軽くなり、ハッピー。

ところで7月のボンソンでは昨年3月no-madeの企画のグループ展でニースの大学図書館の柱に取り付けた「燕の巣」(この作品のことも以前書いたと思ったのだが、直後に震災が起こったので結局まったく触れていなかった)を回収する予定だったのだが、何処にもないことが判明。取り外しは頼んであったのだが誰もしなかった、「ひょとすると柱の上についたまま?」ということになったのだが、実際その通りで私の「目立たぬ作品」の極意が見事に表明されることとなった。これもハッピー!?

ハッピーついでに火曜からは天気もよく、金曜の朝は高原オブラックでは5度しかなかったが、今日のニースは35度はあっただろう。カップ・ダーユでもニースでも海水浴、ボンソンではまた近くの川で泳いだ。山から海へだから海では要らない厚着の服があるかと思えば水中マスクも入った変な荷物となったが(プラス今は作品も)、水中マスクのお陰でカップ・ダーユではきれいな魚や海底を歩行するタコにも遭遇。そのあとニースの海岸通り(プロムナード・デ・ザングレ)のビーチで泳いだらあまりに水が汚いのでびっくり、そういえばあそこには貝殻も海藻もない、結局死んだ観光ビーチなのだとがっかりしていたら、Cさん曰く「ニースでも港の向こう(東側)に行けば水もきれいでちゃんと魚も泳いでいるわ」とのこと。だから今朝は仕事に出る彼女と同じ時間に起きて早速そこへ海水浴に出かけた訳でした。

観光情報:このニースの海岸(写真)は港からも歩けるが、20番、30番のバスでヨットハーバーの越えたあたりまで行くと子供たちが飛び込んだりしている岩の海岸がある。ビーチは岩と岩の間のネコの額だが、海に降りる階段やシャワーも装備されている。