坂田英三 旧ブログ

2013年までのブログです

ジャクリーヌを悼んで

サンフルールに滞在中、Pさんからの電話メッセージで9日の晩にジャクリーヌが亡くなったことを知らされた。彼女は私がパリに来て1年目に始めたパリ市のアトリエの先生。髭をそらないので男か女かわからない風貌だが、とても優しく思いやりのある女性だった。だからアトリエに来て彼女に助けられた人は数多い。リトのアトリエは所謂市民向けカルチャーセンターだったから本当は週に一度3時間行けるだけのはずなのだが、熱心な私を見て、アトリエが開いているときはいつでも行って勝手に仕事をしていいように他の講座の先生にはからってくれた。私の芸術家人生はあそこから始まったので、アルプスやサンフルールで活躍(?)してられるのも彼女のおかげなのだ。クリニック宛に絵葉書を出そうと住所を控えてきたのに「牛乳パック牛作り」に忙殺されて忘れてしまったのが恥ずかしい。

考えてみるとリトのアトリエの初日から色々世話を焼いてくれた元インテリアデザイナーのヴァレリックと奥さんのカトリーヌ、木版の先生のジャック、パリに来て何をするかもわからず模索していた仏語もできない私を優しく見守ってくれた彼らは皆いなくなってしまった。

合掌