ジャクリーヌの展覧会

昔僕のリト（石版画）の先生だったジャクリーヌが展覧会をしている。中学で美術を教え、パリ市の成人教室でリトを教えていた。
パリ美術学校を出ているが、ある時期からは絵や自分の作品としてのリトはやめ、もっぱらパリおよびその近郊を散策しつつ小さなスケッチブックに風景、人物などのクロッキーをしていた。

だから作品を展示して見せるということは全く考えず、ただ自分の為に描き続けてきた。ものすごく個性的な人物なのだが、作品はこれみよがしに個性を出すことのない、純粋で木々、植物と同化していくようなところがあって素晴らしいと思う。

パリにおられる方、是非見に行ってあげてください。

Galerie Dix 291
10, passage Josset 75011 Paris
（彼女のクロッキーは地下に展示されています）
4月4日まで　木、金、土曜 15時から19時

展覧会のことを直接聞いた時は、見学時間は限られているし、普通のアパート内かと思わせる説明だったのだが、現代美術的なホワイトキューブのれっきとした画廊での展示。今風の展示は彼女の個性とはそぐわないようでもあるが、デッサンの価値を引き出していると思う。今は病身なので画廊には顔を出せないが、ビデオインタビューで彼女のユニークな人柄がわかってもらえると思います。